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ブログ | 2023年08月09日

RPAとOCR:人手による文書作業の廃止

RPAとOCR
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こんな情景を想像してみてください。机の上には紙の山が積まれていて、辺りにはスキャナーの騒々しい音が響いています。迷路のように入り組んだ書類の中を進みながら、1枚1枚に注意を払う必要があります。見落としがあれば、この手間のかかる作業を繰り返さなければならないという考えが頭の片隅にあるので、見落としがないことを祈っています。あまりにもよくある情景ではないでしょうか。

多くの人にとって、これは現実です。

デジタル化が進んだ現在の世界でも、一部の組織はまだ大量のデータを紙で処理しています。実際、このデータの80%近くが、手書きのフォーム、紙の領収書、紙のメモなどの構造化されていない形式だと予測されています。適切なリソースがないと、機械による読み取りや分析が困難にになります。そのためForresterは、60%から73%のデータが未使用のまま放置されていると予測しています。

この悪循環を断ち切るソリューションがあります。光学式文字認識とロボティックプロセスオートメーション(RPA)テクノロジーを組み合わせると、手作業での抽出を減らし、従業員の反復作業を中止し、失われたと思っていたデータからインサイトを発見することができます。古いプロセスを廃止して、生産性と革新性が高まる、より安定した作業空間に移行しましょう。

OCRとは

光学式文字認識(OCR)は、構造化されていない文書、画像、手書きテキストを、機械が判読できる構造化形式に変換できるテクノロジーです。OCRが変換できる非構造化データと文書タイプには次のようなものがあります。

  • 電子メール
  • マルチメディアコンテンツ(デジタルの写真、音声、動画)
  • テキストファイルとデジタル文書(PDFファイル、メモ、プレゼンテーション)
  • 調査回答(自由コメント項目)
  • スキャンされた文書(手書きのメモ、フォーム、請求書)

自動化におけるOCR

自動化におけるOCRの重要な役割は、紙依存のプロセスをデジタル化することです。OCRは、文書から必須の情報を抽出して機械可読形式に変換することによって、人間のユーザーが手動でデータを入力する必要がなくなり、ビジネスワークフロー全体で迅速性と効率性の高いデータ転送を促進します。

OCRは優れたツールですが、他のアプリケーションや自動化ツールと組み合わせると、最大限の可能性を発揮します。ここでRPAの出番です。

RPAとは

RPAはRobotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)の略です。ソフトウェアロボットを使用して、人間の作業者が行うデジタル活動を自動化します。RPAのソフトウェアロボットは人間の行動を模倣し、人間の知能を必要としない日常的な反復作業を引き受けることができます。たとえば請求書などの書類からデータを取得してチェックし、拒否するか、さらなる承認申請を行うかを判断できます。

OCRがRPAや自動化とともに使用される理由

繰り返しますが、OCRは単独で使用すると限界があります。しかしRPAと一緒に使用すると、さらに力を発揮できます。RPAとOCRは相補的テクノロジーであり、連携して、手動のプロセス全体を自動化できます。RPAとOCRを使用すると、わずかな人的介入で効果的なワークフローを作成して、データを解読できるようになるため、競争上の優位性を得ることができます。

OCRとRPAの連携のしくみ

OCRとRPAは連携して動作します。この際、OCRはRPAの基本のイネーブラーとして機能します。OCRは最初にデジタルでない文書のパターンを分析し、それを判読と編集が可能な望ましい形式に変換します。その後、RPAがさらに処理し、情報を編集・移動して、必要なシステムとツールにアップロードします。

この2つは、謎を解くコンビだと考えることができます。OCRが欠けているピースを解読し渡すと、RPAはピースの組み立てを開始します。RPAはOCRを利用して、より大きな全体像を描くのです。

RPAとOCRは、インテリジェントオートメーション(IA)という、さらに大きな全体像に含めることができます。IAは、ビジネスプロセスと意思決定を合理化するコグニティブテクノロジーで構成されています。IAの主要テクノロジーには他にも、ビジネスプロセス管理(BPM)、人工知能(AI)、プロセスインテリジェンス、ノーコード開発、機械学習(ML)、自然言語処理(NLP)などがあります。

OCRとRPAのメリット

このデュオを自動化チームで利用すると、いくつかのメリットがあります。ここで主なものを紹介します。

  • ワークフローの高速化:間違いなく、これは最も顕著なメリットです。OCRとRPAは連携して、人間よりはるかに速くデータを入力、処理します。作業者は、データの認知、抽出、分析、整理に費やす時間を数時間(場合によっては数日)節約できます。
  • 正確性の向上:多くの書類仕事が伴うと、従来のデータ入力、処理、および分析方法で人的ミスが大量に発生します。基本的にすべてのタッチポイントでエラーが発生しやすくなります。大量のデータを扱う場合は特にそうです。RPAとOCRはタイポ、誤った解釈、データ入力ミスなどのエラーを削減します。さらに高度なAIテクノロジーと組み合わせれば、いっそう正確なデータ処理を実行できます。
  • 長期的な付加価値:このテクノロジーのスマートさ、正確さ、効率性は増すばかりです。ML、AIなどの他のテクノロジーと統合すると、もっと複雑な文書に対応できる可能性があります。
  • スタッフを日常業務から解放するOCRとRPAでの人間の介入は限定的なので、従業員は付加価値の高い作業に専念できます。作業は情報を再入力するだけにとどまりません。デスクトップ自動化などのテクノロジーを使えば、従業員は一元的に開発・監査された自動化プロセスを通じて、OCRで取り込まれた情報をコンピューターから簡単に処理できます。
  • 顧客満足度の向上:従業員は顧客のサポートに費やす時間を増やすことができました。OCRとRPAを通してデータフローを高速化すると、効果的な文書管理が実現するため、顧客に関するインサイトをタイムリーに取得し、必要に応じて質の高いサポートを顧客に提供できます。北ヨーロッパ最大の金融グループNordeaは、これをSS&C Blue Prismで実現しました。
  • アクセシビリティを生み出す:OCRによって、従業員は最適な方法で情報を利用できます。OCRとRPAは、データを視覚的または聴覚的なインサイトに変換して開示し、関連する人々に情報を公開できます。
  • 物理的空間の増加:紙文書の巨大な山や果てしない書類キャビネットに別れを告げましょう。OCRとRPAがあれば、文書が確実に整理、保存され、適切なデジタルスペースにアップロードされます。その結果、文書を簡単に検索および更新できるようになるため、機能性が高まります。
  • 優れた説明責任:文書をデジタルでインデックス化し編集すると、情報ソースを一元化できるようになります。オリジナルを簡単に表示し、編集内容を見つけ、データフローの監査可能性を維持できます。

OCRとRPAのユースケース

OCRとRPAのメリットは現実世界で明らかになります。いくつかのユースケースを確認してみましょう。

ヘルスケア

英国のKing’s College Hospital NHS Foundation Trustの完全子会社であるKFMは、同社の請求処理プロセスでOCRとIAのメリットに気付きました。SS&C Blue Prismのデジタルワーカーは重要な情報を読み取って変換し、応用できるように互換性のあるデジタル形式でアップロードしました。これによりスタッフは手作業のプロセスと反復作業から解放され、優先的サプライヤーとの交渉に専念できるようになりました。その他のヘルスケアのユースケースには次のようなものがあります。

  • 患者の登録:OCRを使用して、手書きの登録フォームを取り込むことができます。次にRPAで、その情報をデジタルカタログ化して処理できます。
  • 電子カルテの更新:OCRを使用すると、経過記録、投薬情報、診断記録を取得し、それをRPAボットにフィードして、デジタル記録を更新できます。

人事

  • 履歴書のアップロードとスクリーニング:OCRで履歴書の情報を簡単にスキャンし、RPAでその情報を検証できます。
  • 経費管理:請求書、領収書、インボイスはOCRでアップロードできます。次にRPAでその情報をチェックし、コンプライアンスと正確なインデックスを確保できます。この情報は、他の会計ソフトウェアのような既存のシステムに転送することもできます。
  • 従業員プロファイル管理:OCRとRPAを使用して、情報が入ってきたときにデータの抽出と入力を円滑に進め、従業員に関する最新の情報を常に把握できます。

金融と銀行

  • 不正検出と口座確認:OCRとRPAでは、さまざまな形式のデータを迅速に認識、分析し、パターンを見つけることができます。パターンや行動が異常であれば、デジタルワーカーは不正の可能性やリスクに関して警告することができます。
  • 小切手預金:顧客は、小切手を現金化するのがずっと容易になります。OCRは番号、文字、特殊文字を正確に読み取り認識できます。RPAはこの情報を取得して、処理を進めます。

銀行業務におけるOCRとRPAは、すでにデジタル分野で成功を収めています。たとえば、銀行業務では画像ベースのPDFなど様々なフォーマットの使用が増加しているため、デジタル対応の銀行Nordeaは、受け取った情報を処理するためのサポートを必要としていました。同銀行はSS&C Blue Prismを選び、現在のシステムにうまくOCRを統合して、テキストベースのシステムで画像ベースのフォーマットを使用できるようにしました。

OCRは、さらに広範囲な金融自動化をサポートする上でも重要な役割を果たしています。金融機関は、インテリジェントオートメーションによって、買掛金、売掛金、注文書などのプロセス全体で効率性、正確性を大幅に高め、コスト削減を実現できます。

デジタルワーカーが画像ファイルを分析し、ドキュメント全体をOCRで変換します。読み込んだテキストを変換し、スタッフが利用できるように出力しています。
アニエスカ・ベロウスカ(Agnieszka Belowska) Nordea、ロボティクス責任者

保険

  • 給付金支払い:OCRは、請求フォームから関連項目を取得して抽出します。その後、RPAボットがこのデータを照合して処理を進め、情報の検証と給付金処理を行います。
  • 引受:OCRとRPAを使用すると、様々なソースからデータを抽出して、リスク評価と保険契約承認をスピードアップできます。

OCRの種類について

現在、市場には複数のOCRソフトウェアオプションがあります。

OCRテクノロジーには、テキストを一語ずつ照合する基本的なソフトウェアから、高度なテクノロジーを使用して、複雑化した認識機能をサポートするインテリジェントなOCRソフトウェアまで、様々な領域があります。さらに高度なOCRはインテリジェント文字認識と呼ばれることがあります。

当社はSS&C | Blue Prism® Document Automationを提供しています。これは、意思決定のデータとして使用できるように、手書きの文書を変換する包括的なソリューションです。RPAの効率性を最大限に高めるには、 SS&C | Blue Prism® Decipher IDPをお勧めします。Decipher IDPは、OCRとAIを使用して、非常に正確かつスピーディに複雑な文書の読み取り、抽出、分析を行います。

視界を超えた景色

OCRは闇を照らすトーチの役割を果たします。文書に隠された画像、テキスト、パターンに光を当てます。この斬新なコンビは、RPAのサポートを得て、構造化されていない無秩序なデータを、検索可能で実用的な構造化されたインサイトに変換し、プロセスに秩序をもたらします。

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