オペレーショナルエクセレンスとプロセスエクセレンスは、十分に整備された機器の歯車が同期する動作に似ています。BPMライフサイクルの各ステージが、歯車の回転を促進する触媒として機能し、推進力となるのです。

しかし、こうした重要な歯車は、どのようにして組織を目的地へと導くことができるのでしょうか。このブログでは、機器の各歯車が、効率化、イノベーション、成果をもたらすために力を発揮する仕組みについてご紹介します。

BPMライフサイクルとは

BPM（業務プロセス管理）は、方針であると同時にテクノロジーでもあります。方針としてのBPMは、業務プロセスを調査、特定し、最適化し、モニタリングすることで、長期にわたって適切な成果と結果を出す構造的なアプローチです。インテリジェントオートメーション（IA）で自動化したすべてのプロセスを統合することで、組織の俊敏性を高め、マーケティング需要の変化に対応できるようになります。

IAテクノロジーとしてのBPMは、人材、プロセス、デジタルワーカー、データ、ソフトウェアをつなぎ、仕事を高速化・効率化し、正確性を高めます。これは最終的に、ビジネス成果の達成、コスト削減、顧客満足度の改善につながります。

BPMがもたらすその他のメリットは、以下のとおりです。

• ビジネスを完全に可視化できる
• 結果を予測できる
• 標準化されたプロセスを最適化できる
• プロセスを継続的に改善できる

BPMライフサイクルは、「発見」、「分析」、「設計」、「導入」、「改善」の5つのステージで構成されています。

自動化は、機能の拡張に従い、より複雑なプロセスへと最適化され、進化し続けます。サイクルを繰り返すたびに、それまでの経験や洞察が土台となり、持続的な成功を実現する有用なツールになります。

インテリジェントオートメーション（IA）とは、ロボッティックプロセスの自動化（RPA）、人工知能（AI）、機械学習（ML）、BPM、自然言語処理（NLP）などのコグニティブテクノロジーをデジタルワーカーと併用し、業務プロセスと意思決定を合理化および最適化することです。

BPMライフサイクルにおける各ステージの定義

BPMライフサイクルの各ステージには、それぞれ独自の活動と目的が設定されています。詳しく見ていきましょう。

発見

最初のステージは「発見」です。歯車を最初に押し出す役割を担います。これは、組織内の既存のプロセスフローを確認し、理解することです。ここで特に重要なのは、情報を収集し、プロセスをマッピングして、現在の業務の進め方に関する洞察を得ることです。また、これらの業務活動が、現在、組織の目標やミッションにどのように合致しているかも判断する必要があります。

重要な活動：

• プロセスディスカバリー
• プロセスマイニング
• タスクマイニング
• プロセスインテリジェンス
• プロセスのモデリング
• プロセスのモニタリング
• 文書化

分析

次のステージでは、「発見」のステージで収集した情報を使用して、プロセスの実行方法や、それが望ましいビジネス目標に及ぼす（プラスまたはマイナスの）影響を確認します。このステージは、歯車の推進力を高める役割を担います。

重要な活動：

• 文書化
• データ収集
• プロセス検証
• リソースの割り当て
• 妥当性確認テスト
• 業務プロセス分析（BPA）
• プロセスインテリジェンス

設計

プロセス設計とは、前のステージで収集した情報を基に、改善の可能性がある分野を可視化し、特定するモデルを作成することです。また、各プロセスステップの役割、責任、成果を定義することも含まれます。

このステージでは、想像力を働かせ、大幅な調整をマッピングすることで、プロセスの望ましい進め方とその結果のシミュレーションを確認できます。

重要な活動：

• 再設計
• リソースの割り当て
• プロセスモデル

導入

このステージでは、成果物、スケジュール、従業員教育など、変更を業務に取り込みます。自動化はこのステージで重要な役割を担っており、一貫性を保ちながら効率的にプロセスを実行できるようにします。ここでは、効率性を高めるため、歯車にもっとエネルギーを加えることになります。

重要な活動：

• 文書化
• デプロイメント
• テストと検証
• フィードバックの収集
• パフォーマンス評価

改善

BPMは継続的なプロセスです。厳密にいえば改善は最終段階ですが、これを繰り返すことになります。改善ステージでは、最適化の可能性を探るために結果をモニタリングし、5つのステージを通じて調整、改良、改善を行いながら修正し、BPMの成熟度を高めていきます。このステージでは、継続的な改善と最適化に役立つプロセスインテリジェンスを利用することもできます。

一例として、人事部門は、BPMライフサイクルの各ステージを経て、従業員と組織のオンボーディングや退社の体験を改善することができます。結果的に、これらをよりシームレスかつ効率的にするとともに、まとまりのある体験にすることができます。

ライフサイクルで使えるBPMツール

ライフサイクルでプロセスの改善と簡素化に使用できる、さまざまなBPMツールやテクノロジーがあります。以下はその例です。

• SS&C | Blue Prism® Process Intelligence（BPPI） — Process Intelligenceは、プロセスマイニングとタスクマイニングをIAとBPMに統合し、人材、プロセス、タスクを完全に可視化して、適切な意思決定を促進します。そのため、自動化に最適な候補を見極めることができます。導入後、プロセスインテリジェンスは、継続的な改善とプロセスの最適化にも役立ちます。
• SS&C | Blue Prism® Capture — Captureは、発見と分析のステージで、プロセスオーナーによるプロセスの正確な記録や自動化プロトタイプの生成を支援し、最適化と自動化を加速させます。
• ワークフロー自動化ソフトウェア — ワークフロー自動化ツールは、設計ステージおよび導入ステージにおける業務プロセスの自動化と実行を支援します。
• RPA — 導入ステージでデジタルワーカーを活用することで、ルールベースの反復作業を自動化できます。

以上は、業務プロセス管理ライフサイクルの各ステージで業務を支援する現在利用可能なツールのほんの一例にすぎません。多くの組織では、さまざまなステージ、ニーズ、複雑度に対応できるよう、こうしたツールを組み合わせて使用しています。そこで、より手軽に利用できるよう、BPMライフサイクルの全ステージで使用できる包括的な業務プロセス管理システム、SS&C｜Blue Prism® Chorusが登場しました。

Chorusは、以下を行うことで組織をサポートします。

• タスク管理を簡素化
• 意思決定を高速化しつつ、品質を改善
• プロセスや人員調整を迅速化
• パフォーマンスと生産性を向上
• 仕事の実行品質を向上
• リソース配分を改善することでコストを削減
• 風評リスクと規制リスクの両方を低減
• 説明責任における改善

Chorusは、企業全体における業務の継続的改善、オーケストレーション、最適化を支援します。Chorusの概要とその企業支援機能の詳細については、こちらをご覧ください。

BPMライフサイクルの取り組み

BPMライフサイクルの開発を通じて、BPMが、まるで精巧に調整された機械のように、プロセスの調和を保つことが明らかになりました。各ステージは、特に現在のビジネス環境において、経営だけでなく、成長を促す推進力の継続に重要な役割を担っています。BPMとChorusは、組織を強化および効率化し、さらなる成功を支援します。

BPMライフサイクル、使用すべき製品、組織のプロセスや業務を成功に導く方法について詳しくは、弊社チームまでご相談ください。