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自動化ソフトウェアとは?包括的なガイド

自動化ソフトウェア

この業界では、あらゆるテクノロジーに関する略語が次々と登場します。AI、ML、IA、RPA、BPM、NLP、ABCDEなど、こうした略語をすべて理解するにはどうしたらよいでしょうか。何も自動化ソフトウェアの分野で博士号を取る必要はありませんが、自動化を最大限に活用しようとしているのならば、自在に使用できるツールについて理解しておくことは大切です。

このガイドでは、現在利用されている基本的な自動化ソフトウェアの種類について、シンプルに、しかし徹底的に解説します。説明は簡単に(できるだけ簡単に)しますので、どうかご心配なく。

このガイドでは、主に以下のような内容について解説します。

  • 自動化されたプロセスの作成に使用されるソフトウェアの種類
  • 自動化ソフトウェアによるビジネスの例
  • 組織にとって適切な自動化の選択方法 
  • インテリジェントオートメーションプログラム用の適切なソフトウェアを導入するメリット

自動化ソフトウェアとは?(自動化ソフトウェアに注目すべき理由)

さて、自動化ソフトウェアとは一体何で、こうしたソフトウェアに注目すべき理由は何でしょうか。

自動化ソフトウェアでは、人による介入を最小限にすることが求められる各種業界で利用できる、さまざまなアプリケーションや機能が採用されています。

これだけではわかりにくいと思いますので、具体的に説明していきましょう。

自動化ソフトウェアの役割

自動化ソフトウェアは、反復タスクを自動化されたアクションへと変換することができます。その例がインテリジェントオートメーション(IA)テクノロジーです。IAは、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)と機械学習(ML) および AI(人工知能)を組み合わせたものです。

それでは、こうした略語について見ていきましょう。

  • ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は、データ入力のような人間のアクションを模倣するソフトウェアロボットを展開します。
  • デスクトップオートメーション(RDA)は、タスクの自動化を目的として、従業員のデスクトップにソフトウェアロボットを展開します。
  • 人工知能(AI)は、コンピューターでインテリジェントな行動をミューレーションします。
  • 機械学習(ML)はAIの応用であり、新しいデータを組み込むことによって、システムが学習し、その性能を継続的に向上できるようにします。
  • インテリジェントオートメーション(IA)は、RPAなどのコグニティブテクノロジーを人工知能と連携させることによって、より複雑なプロセスを、さらに多数自動化できるようにします。

つまり、従業員が長時間費やしているタスクがあり、その作業を合理化する方法が必要なのであれば、自動化ソフトウェアを強化するAIによって、レガシーのオペレーティングシステムやサードパーティー製のオペレーティングシステムでローコード/ノーコードの自動化ツールを使用して、複雑なワークフローを自動化することができます。さらに、既存スタッフのスキルを向上させ、こうしたシンプルなツールを活用してデベロッパーの役割を担えるようにするシチズンデベロップメントプログラムを導入すれば、自動化の規模をより速やかに拡張し、同時にコンプライアンスも遵守できます。

自動化ソフトウェアが重要である理由

たとえば、従業員が複数の同じオペレーティングシステムに同じデータを入力していたり、フォームや請求書を手作業で記入しているとします。ワークフローの自動化ソフトウェアと同時にSS&C | Blue Prism® Enterpriseを導入すると、そのような手動での作業をデジタルワーカーに委任できます。デジタルワーカーとは、自動化のルールによってトレーニングされたインテリジェントなソフトウェアロボットのことです。

では、このようなデジタルワーカーの最大の利点は何でしょうか。デジタルワーカーは正確で、作業が速く、休憩を必要としません。しかも、24時間年中無休です。

このようなプロセスは、一度構築されると、人による介入をほとんど必要としないため、従業員はより価値の高い戦略的な仕事に注力できるようになります。自動化は、ワークフローの合理化によって人の労働力とデジタルワーカーを統合します。

メリットは他にもあります。真のデジタルトランスフォーメーションを求めているのであれば、業務の改善を継続しなければなりません。生産性を向上し収益化を推進するためには、こうした取り組みが必要です。そのための優れた手段といえるのが、SS&C | Blue Prism® Robotic Operating Model(ROM)などの、自動化戦略の基盤となる信頼性の高いオペレーティングモデルの活用です。

自動化ソフトウェアの拡張

さて、反復タスクを初めて自動化したところで、自動化を拡張するために、その他の自動化ソフトウェアスイートについて見てみましょう。つまり、業務プロセスの自動化を企業全体に「拡張」するのです。

このステージでは、現行プロセスの可視性を強化するための管理ツールに加えて、自動化によるメリットがあり、最適化できるプロセスを把握するためのカスタムのレポートが必要です。こうした仕組みを業務プロセス管理(BPM)と呼びます。

では、BPMについて、もう少し詳しく見ていきましょう。手元に構造化されていないデータがあり、このデータをすぐにシステムに入力しなければならないとします。光学式文字認識(OCR)を利用すると、手書きのデータやタイプされたデータをデジタルテキストに変換できます。

ご推察のとおり、自動化のための重要な要素は、おなじみの人工知能です。AIが備えている「考える」機能によって、自動化ソフトウェアが過去の体験から学習して、現在機能しているワークフローの自動化方法を改善できるようになっています。

当然ですが、このようなタイプの自動化ソフトウェアは、それぞれ異なるレベルの機能を搭載しています。たとえば、AIと同時に使用できるチャットボットは、自然言語処理(NLP)により人間の会話をシミュレーションし、ユーザーの問い合わせに対してインテリジェントかつ適切に回答します。

プロセスの自動化に使用されるソフトウェア

単純なドラッグアンドドロッププロセスによる自動化構築のように、自動化に適した分野の特定や自動化の構築が簡単であればあるほど、組織において最適な作業方法を新たに追求する人が増える可能性があります。SS&C | Blue Prism® UX Builderのようなソフトウェアには、エンタープライズWebアプリケーションの構築において直感的に利用できる、高速なノーコード開発ソフトウェアプラットフォームが用意されています。

プロセスの自動化に使用されるソフトウェア。

ここまで取り上げてきた自動化テクノロジーの一部をまとめます。もちろん、自動化テクノロジーには他にもさまざまなものがあります。

IA – インテリジェントオートメーション。RPA、AI、MLを組み合わせたもので、ワークフロー全体を自動化します。

  • RPA – ロボティックプロセスオートメーションソフトウェア。ボットが既存のシステムやアプリケーションでステップバイステップの反復タスクや業務プロセスを実行します。
  • BPM – 業務プロセス管理。プロセスを自動化し、人員やデジタルワーカーを参加させることによってこれらのプロセスのコネクターのような役割を果たし、ユーザーは業務プロセスを学習、把握、最適化、監視できます。
  • OCR – 光学文字認識。構造化されていないフォーマット内の手書きの文字やタイプされた文字をデジタル化します。対象データを読み取り、理解し、例外にフラグを立てる機能を備えています。
  • NLP – 自然言語処理。人間が話したり書いたりする言語をコンピューター用に処理する機能です。

用語の解説が必要な場合は、こちらのRPAの用語集をご利用ください。

自動化ソフトウェアは、単なる業務プロセスを高速化するためのタスク自動化ツールのセットではありません。自動化ソフトウェアによって組織は再編され、完全なデジタルアクセラレーションと トランスフォーメーションが実現します。では、そのためにはどのような取り組みが必要でしょうか。

ここからは、自動化ソフトウェアを活用して投資収益率(ROI)を向上させ、能力を拡張している組織のユースケースをご紹介します。

自動化ソフトウェアのユーザー

自動化プラットフォームの普及はさまざまな業界で進んでおり、組織による業務効率の向上に貢献しています。初めて導入する自動化ツールを見極める際の優れた方法は、組織の現行プロセスを評価し、プロセスに存在する自動化の機会を特定することです。

自動化に適したプロセスを特定するための優れた方法は、プロセスディスカバリーの活用です。そのためによく利用されるのが、タスクマイニングとプロセスマイニングです。この段階では「現状」のプロセスを分析して、潜在的なボトルネックを確認し、プロセスの改善方法を発見します。

プロセスアセスメントツール(PAT)は、プロセスを自動化できるかどうか、自動化にビジネス上の価値があるかどうかを明らかにするのに役立ちます。SS&C | Blue Prism® Process Assessment Toolを利用すると、最も導入しやすいプロセスや削減できるコストの金額を把握して、クイックウィンや再現可能な成功要因を特定することができます。

プロセスオートメーションの特定フェーズを迅速に進めたい場合は、いつでもSS&C | Blue Prism® Process Intelligence(BPPI)をご利用いただけます。BPPIでは、ディスカバリー、分析、自動化、最適化の各ステージについて確認することができ、ドラッグアンドドロップで利用できる極めてインテリジェントなプロセスオートメーションソフトウェアが用意されています。BPPIでは、意思決定を容易にし、デジタルと人間のワークフォースの統合を強化するため、IA、プロセスマイニング、タスクマイニング、BPMが統合されています。

人事

最初から始めましょう。あなたは新しく従業員を採用する必要があり、適切な候補者を探しています。身に覚えがあるのではないでしょうか。求人の投稿をすると、数十件(数百件とは言わなくても)の応募があります。

そこで、あなたとHR担当者はそれぞれの応募者(半分は応募条件を満たしていない)の履歴書を閲覧して、採用する可能性のある人材を手作業で選び出します。

一方、競合他社はドラッグアンドドロップで利用できるプロセスソフトウェアを使用して、応募者を自動でふるいにかけ、関連性の高いCVのみをHR担当者に直接送信します。競合他社は、適切な候補者を見つけて、あなたが応募書類に目を通す前にその候補者を採用してしまいます。

その結果、あなたの会社は有能な人材を採用できないうえ、人事担当者は関連性の低い応募書類の閲覧に何時間も費やして他の仕事がさらに遅れてしまいます。

これで、自動化ソフトウェアがいかに多くの問題を解決できるかお分かりいただけたでしょうか。IAがHRのプロセスを合理化して、競合に対する優位性確保に役立つ事例は他にもあります。

  • 新入社員のオンボーディング
  • 記録管理
  • 福利厚生の管理
  • 報酬および経費の管理
  • 従業員のトレーニングおよびスキル向上
  • スケジュール設定および再通知
  • 従業員の業績の追跡
  • 休暇申請および休日の管理

これはほんの手始めです。自動化は、組織の拡大に合わせて拡張できるように設計されています。

医療管理

医療業界に従事する多くの人々にとって、患者情報のデジタル化は最優先の課題です。膨大なペーパーワークでは人的なエラーが多発し、遅延が常態化します。

次のような例を考えてみましょう。患者対応担当の医療スタッフが電話でのやり取りに長時間を費やしています。こうした電話をかけてきているのは、必要性の高い治療を受けられていない患者です。スタッフは各種フォームやフォーマットに情報を手動で入力しており、再診の患者についても同じ手順が繰り返されています。

患者だけでなく、フォームに繰り返し入力するよりも意義のある仕事をしたいと考えている医療従事者にとってもフラストレーションの溜まる状況です。

ドキュメントオートメーション(DA)やインテリジェントドキュメントプロセッシング(IDP)を利用すれば、必要に応じて複数のシステムにある非構造化/構造化フォーマットから、自動的にフォームに入力したり、データを読み取ったりできます。情報は人的エラーがない状態で速やかに送信され、例外や情報の不足には即時にフラグが立てられてヒューマンインザループ(HITL)に通知されます。

その結果、職員は、より適切な治療を患者に提供する時間を確保できるようになります。患者データを短時間で入力できるようになるため、より多くの患者の記録を作成し、最終的な収益を向上させることができます。

医療業界における自動化ソフトウェアの活用例を一部ご紹介しました。ほかにも、以下の様な事例が挙げられます。

  • 予約のスケジュール設定
  • 患者レコード
  • 請求管理
  • 在庫の追跡
  • 投薬管理
  • 患者安全アラート
  • 患者の転帰予測
  • 資源管理

前述のとおり、自動化によって実現できることは数多くあります。ご自分の業界について確認してみましょう。組織の状況を改善するために、自動化ソフトウェアをどのように取り入れることができるでしょうか。

保険

保険業務に携わっている人は、大量のペーパーワークと数字を取り扱わなければなりません。保険料や掛金を手動で計算している担当者は、新規顧客を案内する時間を十分にとれません。

たとえば、ある顧客が貴社との保険契約を検討しているとします。このような顧客はオンラインフォームに入力したり、電話で担当者と話をしたりして、自身の詳細情報を提供します。その後、担当者がこの見込み顧客のために手動で計算して見積もりを作成します。ところが、この担当者が計算しなければならない見積もりは他にもあります。今日は、他に10人の顧客に対応しなければなりません。

見込み顧客は、見積もりを待ちきれずに競合他社のウェブサイトにアクセスしてフォームに入力します。その競合他社はインテリジェントオートメーションを利用しているので、顧客にフォローアップのメールが見積もりの概算とともに即時に送信されます。

保険料を把握した顧客は、その競合他社と契約してしまいました。そのころ、貴社の担当者はまだ3番目の顧客の見積もりを作成しています。

デジタルワーカーに対しては、AIを利用したテクノロジーのうち、光学文字認識(OCR)を使用して見積もり、請求、評価を合理化する自動化ルールが供給されています。ルールによって、保険業界で必要とされる、データの入力、処理、マイニングといったあらゆる反復作業が支援されるので、保険担当者は顧客対応中心の戦略的な業務に注力できるようになります。

以下のように、保険業界には自動化を活用できる可能性が多数あります。

  • 顧客からの問い合わせへの回答
  • 不正な請求の特定
  • 引受
  • 証券サービス
  • 保険請求管理
  • リスク検出
  • 手動によるエラーへのフラグ付与

その他の業界の自動化ソフトウェア活用例

ここまで3つの業界について紹介してきましたが、自動化には、さまざまな組織や部門、システム、業務で利用できるという柔軟性があります。各種業界の業務プロセスにおける自動化の可能性について、一般的な例を以下に紹介します。

  • アナリティクス
  • 見積もりの承認
  • 経費管理
  • メールマーケティング
  • ソーシャルメディア
  • 従業員および顧客のオンボーディング
  • ワークフローの割り当て
  • 請求の処理
  • カスタムのレポートおよび監査

自動化ソフトウェアの活用方法

ご存じのとおり、自動化は多岐にわたる業種やビジネスニーズ(たとえば人事(HR)部門への新規採用者の紹介から保険の請求処理、製造およびサプライチェーン管理での承認リクエストまで)で利用されています。自動化ソフトウェアは、組織でカスタマイズされた自動化の取り組みを実現できるように設計されています。

自動化ソフトウェアの選び方

組織に最適な自動化ソフトウェアを検討する場合は、重要な機能のうちニーズに最も適したものを把握します。以下は検討にあたって考慮すべき事項の例です。

  • その自動化ソフトウェアは、自社組織で利用しているレガシーシステムや古いシステムと統合できるか?
  • 組織が自動化に向けて確保している予算は?
  • 業務プロセス改善のために自動化が必要なのは、どのような種類のタスクか?
  • 現在サードパーティのシステムが利用されているか?また、その自動化ソフトウェアは現在使用しているアプリケーションと連動できるか?

自動化ソフトウェアのメリット

自動化ソフトウェアの主なメリット

コンプライアンス

多くの組織が、絶えず変化する規制方針への対応に苦慮しています。しかし、自動化を導入してデジタルワーカーを活用することによって、業務が業界の規制に準拠するよう徹底することができます。デジタルワーカーは一貫性、信頼性、精度を備えています。デジタルワーカーによる作業は文書化されるため、一貫した透明性と監査適合性を確保できます。さらに、デジタルワーカーによって、人間の手作業によるエラーを減らすこともできます。

コスト削減と品質確保

こうしたメリットに加えて、コスト削減と収益増も実現できます。デジタルワーカーによって、自動化されたプロセスが人的エラーのない状態で遂行されるため、成果物の質が向上します。その結果、ミスの修正に費やす時間が減り、その分の時間で既存の従業員を再教育して、より価値の高いタスクに従事してもらうことができます。

拡張性と生産性

自動化ソフトウェアの導入には初期費用がかかりますが、インテリジェントオートメーションは拡張が容易なため、発展性および費用対効果に優れたビジネスソリューションです。デジタルワークフォースを組織のニーズに合わせて拡張して生産性を高め、ROIを増やすことができます。

顧客満足度

忘れてはならないのは、従業員および顧客の体験に対する自動化の有益性です。デジタルワーカーは反復タスクを24時間年中無休でこなし、しかも手作業によるエラーが発生しないためミスが大幅に軽減されるので、顧客は高水準のサービスを速やかに受けることができます。また、チャットボットのような統合型のNLPテクノロジーを活用すれば、顧客の求める回答を迅速に提供できます。

従業員満足度

同時に、デジタルワーカーによって従業員は単調な反復タスクから解放され、より興味深い業務に従事できるようになります。従業員は、スキルを高めてビジネスにとって戦略的な新しいソリューションを発見できるようになります。これにより会社に対する忠誠心が生まれ、従業員の士気が高まります。