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RPA入門第5章

第5章

RPAテクノロジーが人間の仕事を奪う?

自動化があらゆる場所で導入されているため、「ロボット」がますます多くの人間の仕事を奪うのではないかと懸念されています。ヘルスケア、金融サービス、製造、小売などの業界で自動化が導入されているため、人々が自分の仕事がどうなるか不安を抱くのは理解できます。だからこそRPAのポジティブな効果を人々に伝えることが重要です。


Rpaブログ画像(人間)

自動化の影響

自動化は必ずしも人間の仕事を奪いません。実際、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)は、労働力の増強を支援し、人間の労働力を補完し、生産性と効率を高めるのに役立ちます。要するに、RPAテクノロジーによって人間の仕事が奪われることはないのです。どうしてこのように言えるのでしょうか。それは歴史が教えてくれるからです。

自動化の歴史

自動化は常に人々の生活の一部となってきました。初期の文明でも、繰り返し動作や反復作業の自動化が考えられていました。

紀元前3世紀には、早くも古代ギリシャ人とアラブ人が時間の経過を自動的に追跡する単純な機械を製作していました。何世紀にもわたって、自動化は普及し、高度になっていきました。

自動化の最大の例は、産業革命です。この時期には、製造業と繊維産業において単純作業が自動化され、大幅な発展が見られました。

綿繰り機から蒸気機関まで、産業革命の自動化によって効率と生産性が大幅に高まったのです。それ以前に手作業で行っていた仕事はどうなったのでしょうか。

産業革命の時も、自動化によって深刻な雇用不足や経済の崩壊が起こると考えていた人が大勢いました。それでも、自動化による発展は進みました。

歴史は、これらの懐疑論者が間違っていたことを示しています。経済学者たちは、産業革命の自動化により、人々は自動化できない他の仕事に集中できるようになったと結論づけています。

以前と同じ仕事がなくなった人もいましたが、他の役立つ仕事を見つけることができました。

ロボティクスの歴史

自動化のメリットを示す歴史上の実例は、産業革命だけではありません。第二次世界大戦中および戦後の機械式および電子式コンピューターの進歩については、誰もが知っています。

ただし、それ以前は、「コンピューター」という用語は、手作業で計算する人を指していました。では、計算が自動化されたとき、これらの人々はどうなったのでしょうか。

以前、手作業で計算していた多くの人々は、新しい機械式および電子式コンピューターを開発し、操作する方法を学びました。

コンピューター業界が次の数十年で爆発的に拡大するにつれて、仕事の需要は、手作業で計算する人々が占める仕事の数を上回りました。

ただし、コンピューター業界が急成長している間も、ロボットと人工知能(AI)の概念は、まだほとんどの人にとって未知の領域でした。20世紀のほとんどの期間、ロボットはサイエンスフィクションの中に出てくる未来のおとぎ話に過ぎませんでした。

実際、ロボットという用語は、1920年に書かれたサイエンスフィクションの劇に由来しています。ただし、それ以降、ロボットという言葉の意味は大きく変わりました。現在では、繰り返し作業を行うことができる機械を意味するようになっています。

さらに、映画から研究室で製作される本物のロボットの映像まで、今やロボットはどこにでもあります。

RPAとは

ここまでロボットや自動化テクノロジーの歴史を振り返ってきましたが、ここからはロボティックプロセスオートメーションとは何かを考えてみたいと思います。

一般的にロボットといえば、物理的なものを想像します。動き回って単純な作業を行う機械です。

ただし、RPAにおけるロボットとは、RPAソフトウェアを指しています。それは完全にデジタル化されたものです。

RPAのロボティックソフトウェアは、人間が日常的に使っているのと同じアプリケーションを制御します。それには表計算ソフトや在庫管理システム、さまざまなウェブサイトでの操作が含まれます。

RPAソフトウェアには、独自の仮想コンピューターと独自のログイン認証情報が割り当てられ、人間が定義してロボットに割り当てられたプロセスに従うことになります。プロセスには、単純なものから非常に複雑なものまであり、多数のアプリケーションが関係します。

RPAソフトウェアでは、会計、財務、事務、人事、カスタマーサービス、ITなど、ビジネスのあらゆる部分のプロセスを実行できます。このような汎用性の高さから、多くの企業では、最大の効果を得るため全社的に自動化プログラムを構築しています。

ただし、RPAの効果は、基本的なプロセスを実行することにとどまりません。AIや機械学習を組み込むことで、RPAを真のインテリジェントオートメーションに転換することができます。

AIの高度なパワーは、高度な意思決定をサポートします。一方、機械学習では、人々がどのように意思決定を行い、情報を処理するかを理解し、その理解を応用することで、顧客や取引パターンについての新たな洞察が提供されます。

RPAとAIにより人間の仕事は失われるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。それは面倒な繰り返し作業を自動化してソフトウェアロボットに担当させ、人間はやりがいのある仕事に従事して変革を起こすことを意味しています。

人間はビジネスそのもの、つまり顧客体験の向上、新しい市場の開拓、付加価値の高い新しいソリューションの提供などに注力できるようになります。

RPAは人間の仕事を奪うのでしょうか。

RPAシステムが人間の仕事を奪うかどうかを考えることは重要です。これは、世界中の労働者が抱いている懸念だからです。

RPAツールの活用を検討している企業では、RPAの導入が従業員にどのように影響するかを考えているかもしれません。ただし、産業革命やコンピューター業界の自動化などの歴史的な事例を踏まえるなら、RPAは、人間の働き方を新たなレベルに引き上げるのに役立ちます。

RPAの多くの利点の一つは、従業員が繰り返し作業をずっと行う代わりに、創意工夫を必要とする作業に集中できることです。

たとえば、RPAを導入していなければ、誰かがメールを開いてデータを表計算のシートに入力する作業が必要かもしれません。ただし、RPAではこれらをすべて自動で行うことができます。

これにより、従業員は、自動化できない作業を処理する時間を確保し、デジタルワーカーと人間の従業員は協力してビジネスを改善できます。さらに、RPAは顧客サービスの向上にも役立ち、大幅なコスト削減にもつながります。

結論として、RPAは従業員に取って代わるものではありません。実際、その設計は仕事をしやすくするよう考えられており、多くの場合、人間の働き方を変えています。

RPAの導入を検討されていますか。

自動化やロボティクスの歴史、それが人間の仕事にもたらす潜在的な影響について見てきましたが、RPAは企業や従業員にとって新しい働き方を実現するのに役立ってきたといえます。RPAにより、デジタルトランスフォーメーションが推進され、これまで平凡な繰り返し作業に費やされていた時間を他のことに使えるようになります。

RPAは、人々の労働を楽にし、やりがいのない仕事をする代わりにイノベーションや創造性のある仕事をすることを促します。

さらに、RPAは人から仕事を奪うのではなく、自動化できない作業やプロセスに人間が集中することを可能にします。これにより、効率性と生産性が向上します。

RPAの主な利点の1つは、ルールベースのプロセスにも簡単に導入できることです。異なるアプリケーションを統合する従来のプロジェクトとは異なり、RPAのプロジェクトは数年という単位ではなく、数週間から数か月で完了します。レガシーアプリケーションをリプレースしたり、大規模な新規システムをインストールしたりする必要はありません。RPAでは、既存のアプリケーションからデータを取り込みます。

RPAには様々なメリットやデメリットがありますが、RPAシステムの導入を検討されている場合は、どのようにビジネスの効率や生産性を高めることができるかについてお問い合わせいただくか、センターオブエクセレンスで詳細をご確認いただけます。


Marchuck

執筆者

Michael Marchuk