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H&R Block社、AWS上に展開したインテリジェント オートメーションにより業務量の急増に対応

99% 短縮 オフィス賃貸借契約更新にかかる時間を45分から4秒に短縮
$500,000 経理業務の内製化により削減した費用
60,000 時間 一年間で還元された時間
当社では、継続的な改善策の一環として、日常的な定型業務の処理の多くを外部の協力会社に委託していましたが、デジタルワーカーのチームを編成したことで、定型業務全体の75%を自動化し、外部への委託は不要になりました。今は、委託していた当時よりも、より早く、安く、正確に仕事を完了できています。
ジョシュ・ティーマン氏 H&R Block社 エンタープライズ生産性&インテリジェント オートメーション担当ディレクター

アメリカにあるH&R Block社は65年にわたり、何百万人もの所得税申告を支援してきました。普段は3,800人の社員が働いていますが、税務処理の繁忙期は60,000人もの臨時社員を雇用し繁忙期に対応しています。しかし業務量の急激な増減は、人員の採用業務や臨時社員に対するトレーニングに多くのリソースを必要とすることから同社における大きな課題のひとつです。そこで、H&R Block社はこれら業務量の変動に対応するためにSS&C Blue PrismのパートナーであるINVOKE社がAmazon Web Services (AWS)上に展開し提供しているインテリジェント オートメーションのフルマネージドサービスを導入しました。

繁忙期の課題解決に向けた取り組み

毎年4月15日はアメリカに居住する人にとって所得税・確定申告の期限日です。それは、H&R Block社にとって、一年を通じて最も忙しくなる一日でもあります。

同社は毎年この時期になると、サービスに対する顧客からの需要増に対応するために、従業員の数を5倍に増員しています。臨時で雇用される従業員の多くは、60,000人の税理士をサポートするためのトレーニングを受けます。業務は重要でありながらも反復的な作業が多くあります。

確定申告のサービス需要は、この時期を過ぎると少なくなっていくため、一時的に増員された従業員の雇用も終了を迎えます。そして翌年には再び臨時雇用とトレーニングを行うサイクルを繰り返します。半年間の短期雇用とその都度、業務トレーニングの実施を繰り返すことは非効率なことに加えて、それらを管理する上での課題になっていました。H&R Block社は、ワークフローの変動を管理するためのより優れた方法を探していました。

一貫性と拡張性を必要としていた私たちにとって、INVOKE社のクラウドサービスとAWSの柔軟性は、最良の解決方法でした。幾つかの業務は開始後、数日から数週間でピークに達しますが、オンプレミスのソリューションで対応するには費用対効果の観点から好ましくはありませんでした。
ジョシュ・ティーマン氏 H&R Block社 エンタープライズ生産性&インテリジェント オートメーション担当ディレクター

拡張性と柔軟性に優れたデジタルワークフォースの編成

H&R Block社は、採用とトレーニング、また、それらの管理業務の自動化を検討するなかで、SS&C Blue Prismのデジタルワーカーに着目しました。当初、デジタルワーカーはH&R Block社のITチームが管理する仮想マシン上から展開されていましたが、すぐにクラウド環境の方が、より柔軟性に優れ、デジタルワーカーの配備を迅速に行えるという判断に至りました。

SS&C Blue Prismのテクノロジー・アライアンス・プログラム(TAP)パートナーの一社であるINVOKE社は、H&R Block社のITチームが管理するSS&C Blue Prismのライセンスを、AWS上から管理・実行するライセンスに移行するソリューションを提供しました。この移行を完了したことで、H&R Block社はデジタルワーカーを必要とするときに、迅速かつタイムリーに展開できるようになりました。AWSの自動スケール機能によって、デジタルワーカーをより柔軟に適用できるようになり、高額な機器の購入と維持にかかる費用やITリソースの消耗を回避できたことで、費用対効果も改善されました。

現在、H&R Block社は、制御しながらデジタルワークフォースを運用しており、業務負荷が高まってきたときにデジタルワーカーの稼働を増やし、需要のピークが過ぎると稼働を縮小しています。
また、4年間にわたりH&R Block社の自動化を支援し、問題を解決してきたINVOKE社は単なるサプライヤではなく、SS&C Blue Prismの開発と運用を相談できるパートナーとしてH&R Block社から信頼されています。

オフィス賃貸借契約の更新処理時間を99%短縮

H&R Block社はアメリカに約10,000の直営店を展開していますが、そのオフィスのほとんどが1年間の賃貸借契約で運営されています。賃貸借契約は、毎年期限が切れる前に更新されなければなりません。経理担当者は、旧い賃貸借契約内容を手動で削除してから、新しい賃貸借条件を行単位で入力しており、この作業は一契約につき45分間程かかっていました。

現在、この作業はデジタルワーカーによって処理されており、ログインしてから約4秒間で処理を完了しており、平均処理時間を99.9%短縮しています。

インテリジェント オートメーションは、更新の平均処理時間を大幅に短縮し、経理グループの作業負担を軽減しました。このプロセスを自動化できたことは、月末処理を1日短縮するという全体的な目標のなかでも大きな割合を占めており、経理業務にとって大きな成果のひとつです。
エイドリアン・カーマイケル氏 H&R Block社 インテリジェント オートメーション マネージャー

コンプライアンスとコミュニケーションの強化

H&R Block社は、税理士を育成するための教育プログラムも運営しています。2022年は、47,000人を超える登録がありました。多くの受講者とコミュニケーションをとりながら、州によって異なる教育要件に準拠したプログラムを提供するには、膨大な業務を処理しなければなりません。H&R Block社では、この管理に臨時の従業員を採用する代わりにデジタルワーカーを展開しました。

10万ドル以上の人件費が節約され、同時に各州の教育要件への準拠も確保しています。

顧客不安を解消するためのコミュニケーション

H&R Block社の顧客は、Refund Transfer と呼ばれるサービスを利用して確定申告の準備を行っています。同サービスは、払い戻された額からサービス料が差し引かれるため、顧客はサービスの費用を負担することなく利用できます。米国政府は、パンデミックの期間中に国民の支援策として給付金の支払いを開始しましたが、その受け取りは納税者への税還付と同じ手順が採用されました。この場合、H&R Block社のサービスを利用する顧客への払い戻しは、最初にH&R Block社に対して行われ、その後で顧客に支払われることになるため、給付金の受け取りまでに僅かな遅れが生じます。

H&R Block社は非常に短期間の内に、顧客が給付金を受け取れるようにしなければなりませんでした。さらに、この給付金は、税務処理のオフシーズンに支払われましたが、H&R Block社には、急遽発生した業務に対応できるだけの十分な人員が居なかったことが、その実行を遅らせる課題になりました。同社のコールセンターには顧客から問い合わせの電話が殺到することになりました。H&R Block社は、顧客の不安を解消するために、給付金の支払い時期を知らせる必要がありました。

H&R Block社はAWS 上に、顧客への支払い時期を電子メールで通知するデジタルワーカーを配置し、人員の少ないなかでサービス利用者への速やかな連絡を可能にしました。

経理業務の内製化

他の事業者と同様に、H&R Block社も5年前から出張費と経費の報告、調整、仕訳など膨大な経理処理を外部業者に委託していました。その委託料は毎年50万ドルにおよびました。

H&R Block社のインテリジェント オートメーションチームは、委託している業務の内製化機会を見出しました。
トランザクション業務にデジタルワーカーを配置して経理チームの処理能力を強化したことで、経理業務を社内で完結できるようになり、50万ドルの節約に成功しました。

今後の展開

H&R Block社は今後数年の内に、従来の自動化からより複雑な処理や判断まで対応できるインテリジェント オートメーションへの転換を計画しています。まずは、例外処理の対応改善と税理士の納税申告データ入力を支援するOCR機能の導入を予定しています。
関係者向けのトレーニングを行い、SS&C Blue Prismの再利用可能なオブジェクトを開発することで、組織としての自動化基盤を強化し、新たな自動化需要に対しても迅速に適応できるようにしていきます。
また、デジタルワーカーを積極的に業務チームに加えていくことで、従業員の業務負荷を適切に管理するだけでなく、パフォーマンスの分析、意思決定の支援、新たな価値や付加価値の創出などにより多くの時間を割り当てることを可能にしていきます。

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