ある世界的な空調機器メーカーは、世界160カ国で食料品や室内を涼しく保つ製品を提供しています。優れたサービスを保証するには、企業は革新を続けなければなりません。同社は、最高の顧客体験を提供することを目指しており、デジタル機能が同社のプロセスと製品の両方にとって差別化要因であることを強調しています。その一環として、食料品店のセンサーが誤報を出したときに、技術者の対応が遅れないように、SS&C Blue Prism デジタルワークフォースによるソリューションを構築しました。

課題

買い物客が食料品店の冷凍庫セクションをうろうろして、どのブランドの冷凍食品を買おうか検討しているのを見るのは珍しいことではありません。しかし、ドアを長く開けたままにすると、冷凍庫内の温度が上昇し、空調システム機器を管理する地域指令センターに故障警報が発せられる可能性があります。

技術者は、警報が致命的な故障を示しているのか、それとも単なる誤報なのかを判断できないため、食料品店に派遣されます。故障などによる本物の警報が、誤報のの中に埋もれてしまうと、技術者が到着するまでに冷凍庫内の食品を傷めてしまう可能性があります。その場合、食品を廃棄しなければなりませんが、廃棄コストが嵩むだけでなく、食品ロスを発生させることになり、持続可能性が懸念されます。

警報が誤報か本物かを判断する際、データ抽出を手動で実行し、警報通知を個別に切り替える必要がありました。データの分析には複数のシステムにログインを必要とし、あるシステムからデータを収集している間に、別システムからログアウトされることも度々発生していました。

また、一部のシステムは非常に古く、店舗の冷凍庫のデータ転送を可能にするアプリケーション インターフェイスが備わっていないため、システムに統合することができませんでした。

ソリューション

この空調機器メーカーはEY社の支援を受けて、SS&C Blue Prismのデジタルワークフォースを編成して、各警報の選別を担当させることにしました。デジタルワーカーは各システムに素早くアクセスして情報収集し、データを分析します。温度が数分間上昇し、その後低下していれば、誰かが冷凍庫のドアを閉めていますが、数分が経過しても、上昇した温度が維持されている場合、問題が発生している可能性が高いため、技術者がすぐに現地に派遣されます。

デジタルワーカーは、警報を24時間365日リアルタイムに監視します。これは、真夏日の日が多くなり、食品が傷んでしまう前に故障した冷凍庫を短時間で修理できるようになるため、重要なサービスの一つです。多くのレガシーシステムにはアプリケーション インターフェイスがないため、デジタルワーカーを使用することが、それらのレガシーシステムと通信する唯一の方法でした。

この新しいソリューションは、同社がさらに1,500か所の拠点をオンライン化したときに、大きな効果を発揮しました。追加された新しい拠点の警報検出もデジタルワーカーが対応したため、新しい技術者を訓練する必要はありませんでした。そして、それは現在の技術者にも役立ちました。デジタル ワーカーのおかげで誤報による呼び出しがなくなったことにより、18か月間で 6,000 時間の稼働時間を節約できました。技術者の対応時間が大幅に短縮され、食品ロスに関連するコストも削減されました。