プルーデンシャルシンガポール支社（以下、プルーデンシャルシンガポール）は90年以上にわたり、地域に根差した保険・金融サービスを提供しています。1200名の従業員は情熱にあふれており、顧客に最高のサービスを提供しようとしています。包括的なESG活動に対する姿勢は、同社の意欲を強く反映しています。同社はインテリジェントオートメーションを活用して、特に、保険業において重要な変更業務を自動化することにより、紙の使用量と組織の排出する二酸化炭素量を削減することで、掲げる目標を達成しようとしており、その取り組みは、2023年のSS&C Blue Prism Customer Excellence AwardにおけるSustainability Driverとして評価されました。

課題

100万人の顧客がプルーデンシャルシンガポールに信頼を寄せています。同社は信頼を維持し、長期的な価値を創造するために、厳格な業務ガバナンスと高い倫理基準を目指しています。なかでも重要な優先事項のひとつは、不正な請求を迅速に特定することです。毎日決済される何百件もの保険金請求から、不正請求を特定することは大変な作業です。担当者はそれぞれの請求について手作業で監査しなければならず、非効率でエラーが生じる可能性もありました。パンデミック当時においては、もうひとつの課題が生じていました。

プルーデンシャルシンガポールは、経済的に苦しい顧客向けに、手頃な臨時保険への加入を合意しましたが、それらの保険契約は書面によるやりとりと手作業による変更が必要だったため、時間がかかり、ミスが起こりやすいだけでなく、大量の廃棄書類が発生していました。

ソリューション

プルーデンシャルシンガポールでは、以前からESG活動の推進、業務効率の改善、顧客体験の向上などの持続可能性の目標を達成するためにインテリジェントオートメーションを活用しています。同社は、インテリジェントオートメーションを保険金請求の監査業務に展開し、厳格なガバナンスのもと疑わしい請求を特定しています。

現在SS&C Blue Prismのデジタルワーカーは、毎日1,000件以上の保険金請求を承認していますが、疑わしい請求を見つけると、担当者に通知して迅速に対応できるように支援しています。この業務をデジタルワーカーに任せたことで、毎年10万時間以上の業務時間を還元し、作業時のミスを減らしました。加えて、シンガポール政府が定める不正への規制に対しても完全に遵守できるようになりました。

プルーデンシャルシンガポールは、何千もの保険契約を電子フォーマットに変換しました。デジタルワーカーは、変更した保険契約に関するデータ入力とワークフローを手配することで、保険契約が正であり、政府の規制に準拠するようにしています。各請求についての処理状況をリアルタイムに可視化したことで、顧客体験を改善しただけでなく、時間がかかる手作業から解放された担当者も、より複雑で生産性の高い仕事に時間を充てられるようになりました。加えて、重要なことなことのひとつが、インテリジェントオートメーションが同社の二酸化炭素排出量の削減に貢献しているということです。業務をデジタル化したことにより、紙の無駄と印刷コストを削減しただけでなく、この業務プロセスだけでおよそ0.1トンの二酸化炭素排出量を削減しています。